家が倒壊する4つの前兆とは?倒壊を防ぐための3つの対策も解説します。

創業昭和44年。手仕事による本物の家づくりを追求するさいたま市岩槻区の笠巻工務店です。

家の倒壊と聞くと、地震や台風を思い浮かべる方がほとんどでしょう。実際に家が倒壊してしまうほどの大地震や台風は滅多に起こりませんが、大地震や台風の時に限らず家が倒壊するリスクは常にあるのです。今回は、日常生活でも気づく家の倒壊の前兆と、倒壊しやすい家の特徴や倒壊防止の対策などについてお伝えします。

 

倒壊しやすい家の5つの特徴とは

築年数が古い

築年数の古さは、倒壊のリスクを示す一つのバロメーターです。これまで建築基準法は1981年と2000年に大きく2回改正されていますが、中でも1981年以前に建てられた家の旧耐震基準は今ほど厳密なものではないので、比較的倒壊のリスクが高いと言えます。

 

シロアリ被害にあっている

シロアリの好物は湿った木なので、家の基礎や柱などの構造体を容赦無く蝕みます。つまりシロアリ被害にあっているということは、家の構造的な強度が落ちているということにもなり、放置すれば倒壊にも繋がってしまいます。

 

風通しが良く、壁が少ない

開口部が多く風通しの良い家は、言い換えると構造的に軟弱ということになります。家に構造的な強度を求めるのであれば柱や壁の多いデザインになります。採光や換気のために開口部は必要ですが、南国にあるような開放的なデザインは地震の多い日本の家には不向きでしょう。

 

地震・経年劣化で傾いている

大地震や経年劣化などで、すでに傾いてしまっている家もあることでしょう。一度傾いてしまった家は自然に元通りになることはないので、放置しておくと傾きはひどくなるばかりです。大地震はいつまたやってくるかわからないので、傾きを自覚しているのであれば一度専門家に診断をお願いするとよいでしょう。

 

ビルトインガレージがある

建物の下にビルトインガレージがある場合も、倒壊のリスクが普通の家よりも高いです。荷重を受ける下層階にガレージのような大空間を設けることによって、構造的な強度が落ちてしまいます。

どのケースにしても、1981年前の旧耐震基準で建てられた家や地盤が弱いエリアの家に関しては、常に倒壊のリスクと隣り合わせということです。倒壊とは言っても、通常時に倒壊することはほとんどなく、もしあるとしたら大地震のときになります。ただ安心して長く住み続けるためにも、前兆を感じたら早い段階で対策するのがおすすめです。

 

家が倒壊する前の4つの前兆とは

床がきしむ・沈む

床がミシミシ・ギシギシときしんでいたり、一部の床が沈んでいたりするのは、シロアリ被害にあっているサインかもしれません。特に1階部分の床下の木は湿度を多く含んでいるので、シロアリ被害にあいやすい部分と言えます。日常的にきしみや沈みを感じているようであれば、専門家に診断してもらうことをおすすめします。

床鳴りについてはこちらの記事もご覧ください!

https://kasamakikoumuten.com/blog/3093

 

家鳴りがする

家鳴りには、放置してよいケースと対策が必要なケースがあります。家鳴りの原因が温度・湿度の変化による木材の膨張や収縮によるものであれば自然現象なので心配要りません。また、新築やリフォームから日が浅い場合も、木材の状態が安定しないので乾燥する過程で音がする場合もあります。しかし、これらのいずれにもあてはまらない場合は、シロアリ被害や雨漏りによる木材の腐食が家鳴りの原因である可能性も高いので、一度しっかりと調べてもらいましょう。

家鳴りについてはこちらの記事もご覧ください!

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地盤が沈下している

湿地や沼地の近くや盛土による造成地など、もともと軟弱な地盤に家を建てると地盤沈下を起こす可能性があります。また、大雨による地下浸水や地下掘削などで地盤が弱くなることもあります。地盤沈下は不可逆的で、一度起こってしまうと元に戻らないので、もし少しでも違和感を感じたら早急に対策をしましょう。

 

基礎に亀裂が入っている

住宅の荷重を受ける基礎部分に亀裂が入っているようであれば、家としての強度がかなり弱くなっていると解釈してもよいでしょう。すぐに倒壊するわけではないにしても、基礎が弱くなっていれば、大地震のときに揺れを受け止めて家を支えることができません。基礎の亀裂はそのままにせずに、専門家に相談して適切な対策をしましょう。

 

家が傾いたら耐震性が下がっている可能性アリ

ここまで家が倒壊する前の4つの前兆を解説しましたが、万が一家が傾いてしまったときは、早めに専門家に相談した方がよいです。

家の傾きを知る方法ですが、一つは自覚症状から知る方法があります。例として、「ドアや窓が閉まりづらい」「ビー玉を床に置くと一定方向に転がる」「外壁に亀裂が入っている」「家に居るとめまいや頭痛が起こる」などがあります。

これらは人によって感じる程度が違うので主観的な判断にはなってしまいますが、もし該当する自覚症状がある場合は専門家に相談をしたほうがよいでしょう。

そしてもう一つは、水平器や下げ振り器具を使って測定する方法です。こちらはホームセンターなどで売っているので、ご自身で測定することができます。ただし、もちろん専門家による診断と比べると精度が劣るので、自己診断で問題がなかったとしても念のため専門家にしっかりとみてもらうと安心です。

家の倒壊を防ぐためにすべき対策とは?

家が傾いてしまっている場合の対策

家が傾いていることが診断により判明した場合、どのような対策をとればよいのでしょうか。家の傾きは内装工事と違っておおがかりな工事になることがほとんどです。

直接的な方法としては、床を壊して水平に床を作り直すことが考えられます。ただし、掃き出し窓(床まである引き違い窓)がある場合、床を直したら窓の間に隙間が空いてしまう可能性もあります。床の作り直しだけであれば工事費用は50万円前後で済みますが、結局のところ床を直しても家の傾き自体は直せないので、抜本的な解決にはなりません。

他に、基礎ごと上げる方法もありますが、それだけで500万円〜1000万円はかかってしまうので工事費用が高額になります。

家の傾きを根本から直そうとすると、このようにかなりのお金が必要になるので、傾く前に対策することが大事です。ほんの少しの違和感であっても、それが傾きの前兆ということもあるので、日常生活の中で感じる家のサインを見逃さないようにしましょう。

 

床がきしむ・沈む場合の対策

床のきしみや沈みなどを感じたら、シロアリ被害を疑ってもよいでしょう。シロアリ被害が進むと、床下の木材がボロボロになり著しく強度が落ちてしまいます。そうなると、人の体重を受けただけでギシギシ・ミシミシと鳴り、ひどい場合には床が抜けてしまいます。もしシロアリ被害が確認された場合は、専門業者に依頼してシロアリ駆除をしてから、補強工事や耐震工事など必要なリフォーム工事を行いましょう。

 

基礎が割れている場合の対策

住宅の基礎に亀裂が入っている場合は、早急に対策が必要です。基礎のひび割れは経年劣化や地震などが原因で起こりますが、放置しておくとひび割れが大きくなり、やがて深刻な被害をもたらします。

対策としては専門業者による補修となります。アラミド繊維を貼って基礎を補強したり、ひび割れにエポキシ樹脂を注入したりする方法が取られます。高額な補修ではありませんが、どちらかというと応急処置的な方法なので、いつまた他の箇所でひび割れが起こるかわかりません。基礎は住宅の荷重を受ける重要な部分なので、ひび割れを抜本的に解決したいのであれば、おおがかりな工事にはなりますが基礎ごと取り替えましょう。

 

まとめ【耐震性が不安なら早めに専門家に相談】

近年多発する地震を考えると、家の築年数や構造に関わらずいかなる家も倒壊するリスクがあると言っても過言ではないでしょう。もしご自身の住んでいる家に、これまでご紹介してきたような何らかの倒壊の前兆が見受けられたら、早急に専門家に診断してもらうことをおすすめします。

私たち笠巻工務店は、古くから宮大工として数多くの寺社建造物を手がけてきました。木の性質を知り尽くし、木造建築の構造や強度に対する豊富な知見があるからこそ、私たちは自信を持って耐震性の高い木造住宅を提案できるのです。社内には耐震診断士や既存住宅状況調査技術者もおりますので、お住いの家の強度や耐震性に不安がある方はお気軽にご相談ください。