シロアリを見つけた際のリフォームの判断は?建て替えるべきなの?

創業昭和44年。手仕事による本物の家づくりを追求するさいたま市の笠巻工務店です。

突然ですが、シロアリについて皆さんどれくらい知っていますか。被害にこそあったことはないにしても「家の柱を食べてしまう恐ろしい害虫」程度の知識はお持ちかもしれませんね。自分とは無縁と思っているかもしれませんが、シロアリ被害は意外と目に見えないところで起こっていたりもするのです。

そこで今回は、シロアリと家の関係についてお話しながら、もし被害にあった際にどのような対処をすれば良いのかお伝えしたいと思います。

そもそもシロアリってどんな生態なの?

シロアリについて、最初にちょっとだけ説明させていただきますね。まず、シロアリはアリではありません。実は、ゴキブリの仲間「ゴキブリ目」に分類されるのです。それだけでもびっくりですよね。そして種類も豊富で世界には約2500種のシロアリが、日本には22種前後のシロアリが生息しています。その中で家屋に被害をもたらすシロアリは4種だそうです。ここまではご理解いただけましたか?まだまだ続きますよ。

この4種も生態によって2つに分類でき、湿った木を好む「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」と乾燥した木を好む「アメリカカンザイシロアリ」「ダイコクシロアリ」がいます。日本の家屋に被害をもたらすのは前者の「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」。特にヤマトシロアリが8〜9割を占めているそうです。

さて、本題。ヤマトシロアリの好物はずばり“湿った木”です。湿った木を食べるの?木が食料なの?と思いますよね。確かに木を食べるわけですが、厳密に言うとシロアリは木の幹に豊富に含まれる「セルロース」を栄養としています。そして寒さに弱く基本的には関東以南にしか生息していません。

これらを考えると、シロアリは暖かくて湿った木があるところに生息していることになります。一般住宅で木が湿っているところと言えばどこでしょう…床下(基礎の部分)、屋根裏、天井裏、柱、押入れ、玄関、お風呂や洗面所…たくさん思いつきますね。そう、高温多湿な日本の気候風土と木造戸建の組み合わせは、恐ろしいことにシロアリにぴったりなのです。

シロアリを見つけたらどうする?自分で駆除できるのか?業者に依頼をした方がいいのか?


シロアリは日光を嫌うので、私たちが家の中で「シロアリを見つけた!」となることは滅多にありません。私たちが知るのは、あくまでシロアリの被害にあった建物の部位ということになります。しかしこの確認は困難で、柱や玄関など表に出ている部分ならまだしも床下や屋根裏などは何か特別な理由がないと足を踏み入れない場所なので、いつまでも被害が気付かずに放置されてしまうのです。気付いた時には手遅れと言うのはあまりにも悲しいですよね。

それでも何かのきっかけで見つけてしまった…さあどうするか。まず思い浮かべるのはシロアリの駆除かと思いますが、結論から言うとシロアリの駆除だけでは何の解決にもなりません。シロアリを駆除したところで被害にあった部分が自然に直りますか?そんなはずはないですよね。シロアリ被害で怖いのは、家の構造部に該当するような主要な柱や壁が被害にあって強度が落ちてしまうこと。そして、被害にあった状態で放置しておくと最悪の場合には大地震の時などに倒壊する可能性もあります。それほどまでに、シロアリ被害というものは甚大なのです。駆除をすることは、それはそれで意味がありますが、必ず被害にあった部分のリフォームもセットで行なって下さい。

そして、シロアリの駆除は絶対にプロに依頼すべきです。昨今ではホームセンターやドラッグストアなどでもシロアリ駆除の薬剤が販売されていますが、成分の安全性や効果などが素人には判断が難しく、そして何よりも薬剤塗布の作業は閉所や高所で行うものなので危険を伴います。被害にあっている全ての箇所を特定するのもプロではないと難しいでしょう。駆除とリフォームを分けて取り急ぎ駆除だけでも…とお考えであればプロにお願いして下さい。しかし、後述しますが、実はリフォーム作業だけでも駆除と同じような効果があるのですよ!

シロアリを見つけた際にはリフォーム?建て替え?


シロアリ被害に遭ってしまったら、駆除と並行して被害箇所をどうするかという問題が発生しますよね。リフォームで済むのか、あるいは建て替えか。チラシや広告などで見るような甚大なシロアリ被害を思い浮かべ、「ああ、どうしよう、あそこまでいっていたら建て替えしかないのかな…」と不安になるかもしれません。しかし、実はシロアリで建て替えをする必要はほぼないのです。実際に私たちの経験でもシロアリ被害によって建て替えとなったお客様は一人もいません。ほとんど場合は被害箇所を補強するリフォーム、あるいは部材の取り替えで十分に対応できてしまうのです。

被害にあった箇所が床下の基礎であれば、構造上重要な部分なので強度を復活させなくてはなりません。少しの被害であれば外側に板を貼っての補強となりますが、柱を交換するという方法がもっとも安心でしょう。押し入れなど構造に影響はなく人目に付きにくい部分は補修で、玄関など目立つ部分は美観という意味で交換対応が良いかもしれません。そしていずれの場合にもリフォームの際には薬剤を塗布しますので、数年はその箇所に再びシロアリが来ることはないでしょう。

リフォームと駆除はセット?!リフォームには意外な効果があった!

シロアリ被害にはまず駆除、それからのリフォームと考えていませんか?実は逆なんです!シロアリ駆除には薬剤塗布あるいは薬剤散布を行いますが、部材の補強や交換前に行ってしまっては、その部分を撤去するかもしれないので意味がないですよね。そう、当たり前ですが、これらの作業はリフォームが済んでから行うものなのです。しかしそもそもシロアリは湿った木を好むので、薬剤が塗布されていなくても新しい建材には寄り付かないものです。

さらに言うと、シロアリはリフォームの際の人の出入りなどを敏感に察知し、「なんだか騒がしいぞ、もうここは安全じゃないかもなぁ」と思って、リフォームをしているうちにいなくなってしまうものです。日光にも弱いので、普段開いていない床下や屋根裏が作業のために開かれて日の光が入るとシロアリは逃げてしまいます。リフォームすると結果的に駆除することにもなるのですね。

シロアリ被害は他人事と思っている方も多いかもしれません。しかし日本の気候風土から木造である以上はどんな家での被害に遭う可能性があるのです。家を長持ちさせるためにも、屋根や外壁点検などと合わせて数年に一度はシロアリ点検も一緒に行ってみてはいかがでしょうか。