創業昭和44年。手仕事による本物の家づくりを追求するさいたま市岩槻区の笠巻工務店です。
木造住宅では築年数の古い住宅だけではなく、新築やリフォームしたての住宅でも木材がきしむことがあります。木材のきしみには様々な原因がありますが、きしみが毎日使用する階段で起こっているのであれば心配になりますね。今回は、階段で起こるきしみの原因と対処方法をお伝えします。
階段のきしみは何が原因？
階段のきしみの主な原因は大きく4つあります。以下できしみの4つの原因を解説いたします。
木の乾燥収縮
木造住宅に使われる木材は、初期の段階で乾燥した木材と乾燥しきっていない木材があり、一般的には乾燥しきっていない木材の方が安いとされています。費用を抑えるために新築時に乾燥していない木材を使用すると、施工後に乾燥して収縮していく過程できしみが起こってしまうことがあります。
このような木材の乾燥収縮によるきしみはいわば自然現象です。強度的に問題があるわけではないので心配はいりません。
木材のへたり（床のへたり）
階段の使用頻度は高く、ドタバタと駆け上がったり下りたりと日常的に多くの荷重を受けています。このような高頻度の使用からくる階段のきしみは対策できるものではなく、経年劣化の一種と考えて良いかもしれません。同じ場所が何度も踏まれてたわんだり凹んだりすることは、階段である以上避けられないことです。
シロアリ
階段のきしみの原因がシロアリということも珍しくありません。シロアリ被害は床下や柱部分だけで起こるとは限らず、階段でも十分に起こり得ます。シロアリによる被害は単なるきしみにとどまらず、踏んだ感触がふかふか、ふにゃふにゃになるほど強度が落ちるので、放置しておくと突然階段が抜けるような大きな事故につながる可能性があります。
施工不良
木造住宅の階段部分の施工では、職人さんの手抜きにより必要な作業が十分に行われていなかったということもあります。階段部分は複数の木材を組み立て、釘やビスなどでしっかりと固定していくのですが、組み立てただけでも形にはなるので釘やビスを省略してしまう職人さんも中にはいます。しかし、しっかりと固定しておかないと使用するたびに隙間ができて、きしみの原因になってしまいます。
階段のきしみを直すには？2つの補修方法を解説！
階段のきしみは、きしみの原因に合った補修方法で直すことが重要です。以下できしみの補修方法を2つ解説いたします。
木材のへたりの場合
木材のへたりによるきしみであれば、取り替えではなく裏側の補強となります。職人さんが階段の裏側に潜って、きしみが起こっている木材の裏にもう一枚厚い板を入れてビスなどでしっかりと固定します。
シロアリ被害を受けている場合
シロアリ被害によるきしみは、被害の程度によって補修方法が異なります。シロアリ被害が軽度であれば、専門業者に依頼してシロアリを駆除してから、被害を受けた木材に新たに板を打ち付けて補強します。しかし、被害が重度の場合は安全性にも関わるので、被害に遭った階段を壊して新たに階段を設置することになります。このように、階段を丸ごと取り替えることは大掛かりな作業になり費用も高くなってしまうので、シロアリ被害が疑われる場合は早急に対処する必要があります。
階段のきしみの修理費用はいくら？
階段のきしみの修理費用は、おおよそ以下のようになります。ご紹介するのはあくまで相場であり、きしみの程度（劣化度合い）や工事内容によっても異なるので、工事を依頼する前に工務店に確認してみましょう。
ビスで止めるケース
職人さんが裏側に潜って止める作業になり、よほど特殊な構造でない限り1日〜2日で終わる工事となります。費用は5万～となります。
木材を補強するケース
こちらも職人さんが裏側に潜って補強作業を行います。4日〜5日くらいかかります。費用は１5万～となります。
階段を壊すケース
階段を壊す場合は、かなりの手間と時間を要します。階段の構造にもよりますが、特に螺旋階段などはかなり時間がかかります。通常の階段でも最低１週間はかかります。費用は70万円～となります。
階段のきしみはDIYで対策できる？
階段のきしみをDIYで直そうとするのはやめましょう。
ご自身の判断できしみの原因を特定し、実際に釘やビスを使って補修してしまうと、場合によっては症状が悪化してしまうこともあります。
仮に、施工不良によるきしみであれば、ビスを追加するだけで音が止まる可能性もあります。実際に15年〜20年前くらいまでは手抜き工事が横行していて、本来必要なビスが止まっていないというケースも多くありました。このような場合は、確かにビスの追加は効果的ですが、きしみの原因が本当に施工不良かどうかは別途調べる必要があります。
もし、きしみの原因がシロアリだった場合は、ビスで止める補修では済みません。先ほども申し上げたように、木材を補強するか、あるいは階段ごと取り替えることになります。取り替えとなると費用がかさみ、工事期間中は生活にも支障をきたすので、きしみの原因きちんと知るためにもプロに依頼して早めに調査するとよいでしょう。
まとめ【階段のきしみが不安なら業者に相談を】
階段は毎日使うものなので、きしみに限らず何らかの不具合が見受けられると心配になりますね。たかがきしみと思って放置したり、DIYで直そうとしたりすると、悪化するどころか事故にもつながる可能性もあるので非常に危険です。きしみの原因を特定し、適切な方法で補修するには、木造建築に精通している工務店に依頼することが重要です。
笠巻工務店は創業昭和44年の木造建物のプロフェッショナルで、木材の性質から木造建築の構造まで知り尽くしている熟練の職人が多く在籍しています。知識だけではなく長年の経験に裏打ちされた確かな調査できしみの原因を突き止め、適切な補修によってきしみを根本から解決します。
毎日使用する住宅の階段は、思った以上に木材に負担がかかっています。大切なお住まいを長持ちさせるためにも、きしみなどで少しでも不安を感じたら笠巻工務店にお気軽にお声がけください。