床暖房とホットカーペットはどっちがおすすめ?それぞれのメリット・デメリットを解説!

創業昭和44年。手仕事による本物の家づくりを追求するさいたま市岩槻区の笠巻工務店です。

冷えは足元からと昔からよく言われています。床が冷たいことで体がいつまでも温まらず、家にいながら「なんだか寒いな……」と感じることもあるでしょう。床を暖かくする方法として、床暖房やホットカーペットという選択肢がありますが、果たしてどちらが効果あるのでしょうか。今回のコラムで、あらためて両者を比べていきたいと思います。

 

【床暖房vsホットカーペット①】どっちの方が暖かい?

床暖房

床暖房は床を暖めるだけではなく、部屋全体を暖めます。なぜなら、床暖房は熱が赤外線を放って離れた場所に伝わる輻射熱を利用して暖めるので、床が熱源となり部屋全体が暖まるのです。暖かさとしては、ストーブやエアコンのようは勢いのある暖かさではなく、じんわりとした暖かさです。

ホットカーペット

ホットカーペットは部屋全体を暖めるものではないので、他の暖房器具と併用することがおすすめです。ホットカーペットはカーペットそのものが熱くなるだけであり、伝導によって熱を伝えるので触れている部分は暖かいですが部屋全体は暖かくなりません。床に直接座ったり寝転んだりして体が触れている面が多ければ多いほど暖かく感じますが、足の裏だけ触れているような状態ではそれほど暖かく感じません。

【床暖房vsホットカーペット②】早く立ち上がるのはどっち?

床暖房

床暖房には温水式と電気式の2種類がありますが、温水式は電源を入れてから外部の熱源機にある温水を暖め、それが床に送られてから床を暖める仕組みなので床全体が暖かくなるまでに時間がかかります。一方、電気式は床下に発熱体であるパネルヒーターが仕込んであるので、電源を入れてからすぐに電気が通るので暖かくなるのが早いです。

ホットカーペット

ホットカーペットの中には電線が張り巡らされており、電線が通電することで熱が発生します。電源を入れればすぐに通電するので、数分もすればカーペット全体が暖かくなります。

 

【床暖房vsホットカーペット③】電気代が安いのはどっち?

床暖房

温水式の床暖房の熱源は灯油やガスがほとんどなので、電気を使用するのは熱源機を作動させるときくらいです。よって、電気代こそかかりませんが、灯油代やガス代はかかります。

一方、電気式の床暖房は通電することによって発熱させるので、電気の使用量は多くなります。しかし、他の暖房器具を使用しなくても部屋全体を暖めることができるので、トータルで考えると高すぎるということにはなりません。

ホットカーペット

ホットカーペットの熱源は電気なので電気代がかかります。さらに、ホットカーペットを使用する際には他の暖房器具を併用することが多いので、全体としてさらにコストがかかってしまいます。ホットカーペットを使用する際は、設定温度を下げるなど全体としてコストを抑える工夫が必要です。

 

【床暖房vsホットカーペット④】安全性が高いのはどっち?

床暖房

床暖房には温水式と電気式の2種類があり、温水式であれば接触面が35度前後に保たれるため低温火傷の心配がありません。電気式の場合は設定温度によっては高温になることもあるので、長時間使用する際には低温火傷への注意が必要です。

ホットカーペット

ホットカーペットは即効性があり、設定温度によっては接触面が高熱になるので低温火傷してしまう可能性があります。立ち上がりすぐの時は高温設定にしたとしても、長時間使用する際は設定温度を低くしましょう。

 

ホットカーペットの思わぬ落とし穴とは

床暖房とホットカーペットの両者を比較して、最終的に初期費用の安いホットカーペットを選ぶ方もいるかもしれません。ホットカーペットのメリットとしては、安さ以外にも工事が不要なことや即効性のあることなど多々ありますが、ホットカーペットにもデメリットがあることを忘れてはいけません。

ホットカーペットのデメリットとしては、以下が挙げられます。

・床が乾燥してミシミシする

・使わないと湿気が溜まる

・床が変色したり、変形したりする

まず、乾燥についてですが、ホットカーペットは床に直接熱源を置くようなものなので、繰り返し使用することでフローリングが乾燥してきます。フローリングは木でできているので乾燥によって木材から水分が抜けていく過程でミシミシと音がなるようになります。

次に湿気について。フローリングの上にラグや布団などを敷きっぱなしにすると、湿気がこもりカビなどが発生することがありますが、同じことがホットカーペットにも言えます。ホットカーペットの使用中に湿気がこもることはないのですが、ホットカーペットを使用しないでラグのように敷きっぱなしにしていると、湿度が溜まることがあります。

最後に、床の変色や変形についてですが、これらも熱源が床に触れていることで起こる現象です。ホットカーペットが長時間触れている部分はかなりの温度になり、熱により変色や変形を起こします。

ホットカーペットを使用するには、これらのデメリットを理解した上で十分に対策をとって使用する必要があります。

冬の床冷え対策は、実は窓の改修が効果的!

ここまで、足元の冷え対策として床暖房とホットカーペットについて考察してきましたが、家の冷気の原因が足元以外にもあるということもお伝えしなくてはなりません。家の中の冷気は、実際には窓から入ってくるケースがほとんどだと言われています。よって、足もとの冷たさを解消するには、窓の改修の方がおすすめなのです。

率直に申し上げると、近年は床暖房のリフォームの需要は少なくなってきています。床暖房のリフォームは費用がかかりますし工事も大掛かりになるので、一定期間部屋が使えなくなるなど生活に支障をきたします。しかし、窓改修であれば家具の移動などもないので、工事中も窓以外はそのままで過ごすことができます。

窓の技術はここ数十年で驚くほど進化しており、窓自体の性能が大きく向上しています。冷気対策として床暖房やホットパーペットで床を暖めるという発想は間違っていないですが、冷気の大部分は窓から入ってくるので、窓の改修をすれば冷気そのものをシャットアウトできます。冷気が入ってこなければ、部屋の中に暖かい空気が溜まり、部屋全体が暖かくなるというわけです。

さらに、窓は外気との接触面なので、窓を改修すれば冬の寒さだけでなく夏の暑さも改善できるなど、年間を通じてメリットがあります。このように、家の暖かさ/冷たさには窓の影響力が大きいので、寒さ対策として床暖房のリフォームをするよりも断熱効果の高い窓の改修を考えてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

足元の冷えを解消するには、床環境を改善することが効果的と思われがちですが、実は冷気のほとんどは窓から入ってくるものです。窓の断熱性を高めて空気を循環させることで、部屋の隅々まで暖かくすることができます。

私たち笠巻工務店の社長である笠巻は、住宅断熱施工技術士の資格を持っているので、社長自らが現地調査を行い最適な断熱工事を提案することができます。

少ないコストで家の中を足元までポカポカにするなら、窓の断熱工事がオススメです。断熱工事のことでしたら、断熱について熟知した私たち笠巻工務店へお気軽にご相談ください。